ECO MAGAZINE

未来を変えるエコ活動

編 集 後 記 

 


今回の取材を通じて強く感じたのは、能美市が目指す「ゼロカーボンシティ」が、決して机上の空論ではなく、市民一人ひとりの生活動線のなかに深く根ざしているということです。

特に印象的だったのは、紙のチェックシートから「エコ・アクション・ポイント(EAP)」へとデジタル化を舵切った背景です。単なる効率化ではなく、スマホ一台で気軽に参加できる「ハードルの低さ」を追求した結果、これまで環境活動と距離があった層までを巻き込む大きなうねりが生まれています。 

また、「ふれあいリサイクルセンター」での廃食油回収や古紙計量といった日常的なアクションにポイントを紐づけ、それを地域通貨「能美トチポ」として地域に還元する仕組みは、まさに理想的な循環モデルです。

 

さらに、インタビュー後編(vol.2)で伺った「子どもと未来の能美環境フェスタ」のエピソードからは、次世代を担う子どもたちの体験を起点に、家庭、そして地域全体へと意識を変えていこうとする並々ならぬ熱量を感じました。


「やって終わりではなく、家で続けてもらうことがゴール」という担当者の方の言葉には、市民の伴走者として共に未来を創ろうとする強い意志が宿っています。

九谷焼の伝統が息づく美しい能美の風景を、デジタルと人の温もりの両輪で守り抜く。その挑戦は、多くの自治体や企業にとっても、進むべき道を照らす希望の光となるはずです。





編 集 メ モ
  • デジタル化による参加障壁の緩和
  • 地域通貨との連携による循環モデル
  • 次世代を起点とした意識改革

青井 良介(あおい りょうすけ) 

販売促進部(エコ・アクション・ポイント事務局)営業担当(4年目) 

能美市とはEAP開始当初から、調整・登録サポート、開始後の運用サポートまで担当


〈今後のイベント予定〉
子どもと未来の能美環境フェスタ2026を令和8年10月18日(日)に開催予定

〈関連記事〉

・能美市インタビュー vol.1(前編)

・能美市インタビュー vol.2(後編)

バックナンバー

♯27 市民参加で進める脱炭素|自治体インタビューリレー【能美市 vol.3】

編 集 後 記    今回の取材を通じて強く感じたのは、能美市が目指す「ゼロカーボンシティ」が、決して机上の空論ではなく、市民一人ひとりの生活動線のなかに深く根ざしているということです。 特に印象的だったのは、紙のチェックシートから「エコ・アクション・ポイ...

♯26 市民参加で進める脱炭素|自治体インタビューリレー【能美市 vol.2】

インタビュー前編(vol.1) では、紙のチェックシートからEAPへ切り替え、参加のハードルを下げながら、リサイクル拠点の活用や地域通貨との連携で「続けやすさ」も整えている能美市の工夫を伺いました。 一方で、脱炭素の行動変容を広げていくには、仕組みだけでなく「知る・体験する」機会づくりも欠か...

♯25 市民参加で進める脱炭素|自治体インタビューリレー【能美市 vol.1】

カーボンニュートラルの実現を目指して、市民一人ひとりがエコ活動に取り組める環境づくりを推進 能美市は、石川県の南部に位置し、人口約5万人(約2万世帯)のまち。九谷焼やゆず、丸いもといった特産品に加え、いしかわ動物園や能美ふるさとミュージアム、手取フィッシュランドなどの観光資源も持つ“暮らしと...

♯24 市民参加で進める脱炭素|自治体インタビューリレー【宇都宮市 vol.3】

編 集 後 記    今回、インタビューリレー第1回として宇都宮市のお話を伺って、胸の奥がじわっと熱くなりました。 脱炭素は「正しいこと」だけでは広がらない。けれど、“やりたくなる形”にまで落とし込めたとき、まちはちゃんと動き出す——宇都宮市の取り組みは、そ...

♯23 市民参加で進める脱炭素|自治体インタビューリレー【宇都宮市 vol.2】

宇都宮市が進めるエコ・アクション・ポイントは、どのように市民の利用へつながっていったのでしょうか。 本記事はインタビューの後編として、利用の広がり方と、反響の大きかった取り組みを追っていきます。 ※インタビュー前編(vol.1)はこちら 5.利用が多い世代/少ない世代:若...

♯21 市民参加で進める脱炭素|自治体インタビューリレー【宇都宮市 vol.1】

脱炭素社会の実現には、行政の施策だけでなく、一人ひとりの市民の「気づき」と「行動」が欠かせません。エコ・アクション・ポイントでは、住民参加型で脱炭素を進める自治体の取り組みを、その背景や工夫、現場の声とともに伝えるため、自治体インタビューをリレー形式でお届けします。記念すべき第1回は、市民の行...